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NIVIUK IKUMA2に乗ってみた


NIVIUKの新しいIKUMA2。NIVIUKのWebサイトを見ると「Accessible performance」と銘打っていますが、この言葉が意味するところは何なのか?も含めてじっくりと試乗していきたいと思います。

テクニカルデータをチェックする

IKUMA2のテクニカルデータです。



サイズは22~30までで5サイズ用意されています。カバーする体重レンジは65Kg~130Kg。
セル数は61セルで、初代IKUMAの57から4セル増加しました。アスペクト比は実測で5.7でIKUMAと変更ありません。同じアスペクト比でセルが増加しているので、より綺麗なシェイプに仕上がっていると言うことでしょう。
ライザーの構成はA-A'/B/Cの3ライザー構成で、ラインはAが2本、A'が1本、Bが4本(スタビ込み)、Cが3本とブレークコードになっています。



ライザーには新たに「CtoBシステム」と言う仕掛けが追加されています。これは、アクセル使用時などにIKUMA2をコントロールするためのシステムで、CライザーからBライザーへ桁が通してあるのですが、要はCライザーを引いた時に、引き量に応じてBライザーも引くという仕掛けですね。これにより、Cだけがイビツに引かれることはなく、翼形を保ちながらバランス良く制御することができます。



広げてみた感じでは、メインラインが被覆なしのケブラーであることによって、「とても飛びそう!!」な印象を与えてくれます。また、平面でアスペクト5.7も十分迫力がありますね。ぱっと見の印象は「手強そう???」な感じです。

乗ってみた

新型コロナ禍から徐々に日常に戻りつつある現状のため、私のホームエリアである立山でも多くのフライヤーが地上練習に汗を流す週末に、まずは一緒にグラハンで感触をチェックしてみました。



ライザーには色分けされているとはいえ、やはりメインラインがむき出しケブラーだとラインチェックには注意が必要です。ライン絡みにも注意ですね。
ほど良い風で立ち上げてみると、NIVIUKらしい軽く穏やかな特性で難なく上がってくれます。この感覚は、どのNIVIUKグライダーにも言えることですが、ホントにアスペクトに関係なくカッチリした手応えで傾くことなく上げることができます。もちろん、セッティングやパイロットの立ち位置が悪いと傾くでしょうが、正しいセッティングで正しく操作すれば、苦労することはないかと思います。



風が良いので立ち上がげただけで揚力をものすごく感じます。風の強弱に合わせて、グライダーが風に食い込むような挙動も感じ取れます。この特性はサーマルサーチで大いに威力を発揮してくれます。



とても穏やかな乗り心地

IKUMA2-26(85Kg-105Kg)に装備重量100Kgで試乗しました。
(※動画では90Kg-110Kgって言ってますが間違いです。、すみませんm(__)m )

5月後半といえども、いつもの立山ならばかなりバンピーなコンディションになりますが、幸いにこの日はそれ程ではありませんでした。
IKUMA2のパフォーマンスを確認するために、この日のサーマルトップ2200mまで上昇して対岸の大辻山へ。北風が入り込むタイミングでサーマル活動はやや鈍化し、代わりに北被りの乱れた空域が待ち受けていました。すごすごと逃げ帰るのは簡単ですが、IKUMA2はそのような状況でもどっしりと頭上にその姿をキープしてくれています。弱く掴みどころのないサーマルを何とか引っ掛けてゆっくりとセンタリングを試みると、敏感過ぎない操作感が緊張感を和らげてくれます。パフォーマンスの高いグライダーでは、ブレーク操作も比例してシビアになっていくものですが、IKUMA2はそのような感じはありません。むしろHOOK5に乗っているような感覚に近いフィーリングです。これまでの経験から「間違いなく空域はタービュレントで細心の注意を払いながらフライトしなければならない」ことはわかるのですが、IKUMA2はそのような状況でも平然と飛んでいられる安定感に驚きます。(だからと言って、危険な空域で問題なく飛べるという意味ではありませんので誤解なきよう)



アクセルも軽く、ハーフくらいまでは十分常用の範囲です。フルアクセルも試しましたが、それ程沈下は増えず、非常に安定した挙動です。さらに、新しいCtoBシステムはとても操作感が良く、手にしっくりと馴染む感じも気に入りました。これはお勧めですね!



握り方としては、CライザーとCtoBシステムのCライザー側のテープを重ねて持つことで短いストロークでコントロールができます。まさに2ライナー感覚ですね。

一通りのチェックを終えてランディングする前に、軽くピッチングとローリングを試しました。
ピッチングは、NIVIUKのBクラスにしては若干前に走る印象がしました。それだけ風に食い込む特性が強い味付けなのかな?と思いますが、「ばびゅーん!!」と突っ込んでいくような動きではないのでご安心あれ。ローリングもテンポよくこなせて旋回性の良さを感じます。
ランディングもブレークの操作域を一杯まで使って低速で進入しましたが、とてもよく粘ってくれます。さすがNIVIUKですね。



総評

「Accessible performance」。これを私は「手が届く!最高のパフォーマンスに!!」と訳しました。
その意味が腑に落ちる、まさにそんな翼に仕上がっていました。

乗った感覚から感じるのは、間違いなくCクラスのARTIK5並みのパフォーマンスを持っています。美女平からエリアに帰る速度や滑空比などを考えてもハイエンドBとは言え驚きの性能です。それ以上に驚かされたのは

HOOK5と間違えるほどの乗りやすさ、安定感でありながら圧倒的なパフォーマンスを発揮できる

と言うことでしょうか。

最近のグライダーはどれも素晴らしい出来になっていますが、それとともに

不必要に高いレーティングのグライダーを選ぶことはない

ことを毎回感じさせられます。Cクラスでなくとも十分なパフォーマンスを手に入れることはできるのです。そして、それを使うのは私たちパイロットです。
乗り手が道具を最大限使うことができるかどうか?これが大切なことなのだといつも思います。

道具を100%使いこなす技量を獲得するために、無理なステップアップではなくそれを実現できるIKUMA2のようなグライダーをチョイスしてもらえることを、個人的には願っています。

ぜひ、このフィーリングを試していただきたいと思います!!


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