AIRHEART Official Blog

AIRHEART Official Blog

メーカーやパラグライダーの最新情報をお届けします。

カテゴリー検索:Pikaichi Check

NIVIUK IKUMA2Pに乗ってみた


NIVIUKの新しいHi-BクラスのIKUMA2P。IKUMA2の軽量モデルですが、NIVIUKは基本的に各モデルともノーマルバージョンと軽量バージョンのPモデルをリリースしています。今回はIKUMA2P-24サイズに乗ってみました。

テクニカルデータをチェックする

IKUMA2Pのテクニカルデータです。



基本的なデータはIKUMA2と同様ですが、用意されたサイズは22~28までの4サイズ。軽量だけあって22では自重3.3Kgとノーマルバージョンの4.1Kgと比較して800g軽い。他のサイズも同様に(24)4.4Kg→3.6Kg、(26)4.6Kg→3.8Kg、(28)4.9Kg→4.1Kgとやはり800g軽い。



マテリアルはアッパーがDOMINICO N20 DMF / 2044 32 PS、ボトムがPORCHER  70000 E3H。ノーマルのIKUMA2はアッパーがDOMINICO N30 DMF / N20 DMF。ボトムがDOMINICO 2044 32 PS。サイズ24で3.6Kgは本当に軽く感じますね。





ライザー構成とシステムはIKUMA2と同様ですが、軽量のPモデルはソフトリンクになっています。ラインもメインからアッパーまで被覆なし。C2Bシステムも装備されています。



ブレークトグルを留めるのは、軽量バージョン用の小さいボタン。取り外しも取付も簡単で使いやすいです。

乗ってみた

既にIKUMA2の試乗を終えているので、軽量のPモデルでは主にと違いについてみていきたいと思います。
サイズ24は75Kg-95Kgですが、撮影機材なども結構あったため上限いっぱいの94.5Kgで試乗しました。



ライズアップはノーマルのIKUMA2同様に軽く簡単に上がってきます。軽量ながらも空気をはらむとしっかりした手応えがあります。ここであまり踏ん張ることはせず、自然に一定のテンションを保つイメージでキャノピーと自分のバランスを調整すると、軽量機にあるがちなインテークを潰したりすることはないでしょう。実際にはそれほど意識しなくても真っすぐ頭上に上がってきてくれます。風が良いと、風に向かって走ろうとする挙動が感じられますので、必ず頭上安定で最終チェックを行い、飛び立つことをお勧めします。



ノーマルのIKUMA2に比べると、若干ではありますが風に向かっていく傾向が強い気がします。操作もインプットに対して効き始めるまでのタイムラグがやや少ない(反応が良い)印象でしたので、ソフトにゆっくり操作するのがいいのかな?と思いますね。
頭上安定が完了したら、荷重をかけて走り込めばテイクオフは簡単です。



とってもスポーティーな乗り味

空中でのIKUMA2Pはどうか?

やはり、軽量バージョンと言うこともあってなのか、かなりスポーティーな乗り味に感じました。概ねIKUMA2なのですが、ライズアップの時にも指摘した通り、風見効果と言うか、サーマルなどの気流の変化にとても敏感に反応してくれます。誤解しないで欲しいのは、この敏感に反応するのは「嫌な動き」とか「怖い挙動」ではなく、翼が空気の流れに乗ってスーッとサーマルへ吸い込まれるような動きがわかりやすく伝わってくる・・・と言った感じでしょうか?それに、そのような挙動をしたからと言って、特別翼を抑えないとダメと言うことはなく、放っておいても問題はありません。ただ、今まであまりサーマルに吸われるような挙動を感じたことのない発展途上のパイロットにとっては、このIKUMA2Pの動きはすごくわかりやすい先生になってくれるのではないか?と思います。



C2Bシステムの使い勝手もIKUMA2と変わりません。なかなか操作しやすいです。



雲低が低く、せいぜい1200m強で風に翻弄されそうなシチュエーションでしたが、重めで乗っているにも関わらず浮きもスピードも動きも良くて乗りやすかったですね。重めのせいもあるのかもしれませんが、総じて動きは「能動的」と言いましょうか「積極的」と言いましょうか、とてもスポーティーで操作するのが楽しいグライダーです。逆を言えば、あまり操作しなくても乗れるのですが、乗る人の好みによっては「楽しくない」と感じてしまう可能性もあるかな?と思います。そのような点で言えば、ノーマルのIKUMA2の方が大人しい気がします。
立山の関沢校長は軽めで乗っていただいたのですが、旋回や操作は軽さを感じない軽快な印象だったと言うことでした。

総評

IKUMA2はIKUMA2なのですが、Pモデルは若干スポーツカーのような「操作する楽しさ」とか「乗る楽しさ」を求めるようなパイロットに向いている気がします。軽量バージョンですので、どちらかと言えばハイク&フライを含めたアウトドアのニーズに適応するようなモデルではありますが、インプレでも書いたように気流に対する動きが凄くわかりやすいので

いずれクロスカントリーやコンペなどでさらなるハイパフォーマンス機に乗りたい

と思っているような上昇志向のパイロットが翼と気流の関係や操作、飛ばし方を学ぶにはベストな道具かな?とPikaichi的には思います。

IKUMA2をチョイスするか、軽量だけどIKUMA2Pをチョイスするか?ってことになると、上記のような明確な目的があればIKUMA2Pをお勧めしたいです。
実用性がありながら、リスク少なく操縦の訓練ができるというのは羨ましい限りです。
もちろん、普段乗りやハイク&フライにも申し分ないパフォーマンスです。

いずれにしても、目的を定めて使ってもらえば2倍にも3倍にも楽しめるグライダーですので、気になる方は試乗してみてはいかがでしょうか?

※試乗機はサイズ24のみになります


NIVIUK IKUMA2に乗ってみた


NIVIUKの新しいIKUMA2。NIVIUKのWebサイトを見ると「Accessible performance」と銘打っていますが、この言葉が意味するところは何なのか?も含めてじっくりと試乗していきたいと思います。

テクニカルデータをチェックする

IKUMA2のテクニカルデータです。



サイズは22~30までで5サイズ用意されています。カバーする体重レンジは65Kg~130Kg。
セル数は61セルで、初代IKUMAの57から4セル増加しました。アスペクト比は実測で5.7でIKUMAと変更ありません。同じアスペクト比でセルが増加しているので、より綺麗なシェイプに仕上がっていると言うことでしょう。
ライザーの構成はA-A'/B/Cの3ライザー構成で、ラインはAが2本、A'が1本、Bが4本(スタビ込み)、Cが3本とブレークコードになっています。



ライザーには新たに「CtoBシステム」と言う仕掛けが追加されています。これは、アクセル使用時などにIKUMA2をコントロールするためのシステムで、CライザーからBライザーへ桁が通してあるのですが、要はCライザーを引いた時に、引き量に応じてBライザーも引くという仕掛けですね。これにより、Cだけがイビツに引かれることはなく、翼形を保ちながらバランス良く制御することができます。



広げてみた感じでは、メインラインが被覆なしのケブラーであることによって、「とても飛びそう!!」な印象を与えてくれます。また、平面でアスペクト5.7も十分迫力がありますね。ぱっと見の印象は「手強そう???」な感じです。

乗ってみた

新型コロナ禍から徐々に日常に戻りつつある現状のため、私のホームエリアである立山でも多くのフライヤーが地上練習に汗を流す週末に、まずは一緒にグラハンで感触をチェックしてみました。



ライザーには色分けされているとはいえ、やはりメインラインがむき出しケブラーだとラインチェックには注意が必要です。ライン絡みにも注意ですね。
ほど良い風で立ち上げてみると、NIVIUKらしい軽く穏やかな特性で難なく上がってくれます。この感覚は、どのNIVIUKグライダーにも言えることですが、ホントにアスペクトに関係なくカッチリした手応えで傾くことなく上げることができます。もちろん、セッティングやパイロットの立ち位置が悪いと傾くでしょうが、正しいセッティングで正しく操作すれば、苦労することはないかと思います。



風が良いので立ち上がげただけで揚力をものすごく感じます。風の強弱に合わせて、グライダーが風に食い込むような挙動も感じ取れます。この特性はサーマルサーチで大いに威力を発揮してくれます。



とても穏やかな乗り心地

IKUMA2-26(85Kg-105Kg)に装備重量100Kgで試乗しました。
(※動画では90Kg-110Kgって言ってますが間違いです。、すみませんm(__)m )

5月後半といえども、いつもの立山ならばかなりバンピーなコンディションになりますが、幸いにこの日はそれ程ではありませんでした。
IKUMA2のパフォーマンスを確認するために、この日のサーマルトップ2200mまで上昇して対岸の大辻山へ。北風が入り込むタイミングでサーマル活動はやや鈍化し、代わりに北被りの乱れた空域が待ち受けていました。すごすごと逃げ帰るのは簡単ですが、IKUMA2はそのような状況でもどっしりと頭上にその姿をキープしてくれています。弱く掴みどころのないサーマルを何とか引っ掛けてゆっくりとセンタリングを試みると、敏感過ぎない操作感が緊張感を和らげてくれます。パフォーマンスの高いグライダーでは、ブレーク操作も比例してシビアになっていくものですが、IKUMA2はそのような感じはありません。むしろHOOK5に乗っているような感覚に近いフィーリングです。これまでの経験から「間違いなく空域はタービュレントで細心の注意を払いながらフライトしなければならない」ことはわかるのですが、IKUMA2はそのような状況でも平然と飛んでいられる安定感に驚きます。(だからと言って、危険な空域で問題なく飛べるという意味ではありませんので誤解なきよう)



アクセルも軽く、ハーフくらいまでは十分常用の範囲です。フルアクセルも試しましたが、それ程沈下は増えず、非常に安定した挙動です。さらに、新しいCtoBシステムはとても操作感が良く、手にしっくりと馴染む感じも気に入りました。これはお勧めですね!



握り方としては、CライザーとCtoBシステムのCライザー側のテープを重ねて持つことで短いストロークでコントロールができます。まさに2ライナー感覚ですね。

一通りのチェックを終えてランディングする前に、軽くピッチングとローリングを試しました。
ピッチングは、NIVIUKのBクラスにしては若干前に走る印象がしました。それだけ風に食い込む特性が強い味付けなのかな?と思いますが、「ばびゅーん!!」と突っ込んでいくような動きではないのでご安心あれ。ローリングもテンポよくこなせて旋回性の良さを感じます。
ランディングもブレークの操作域を一杯まで使って低速で進入しましたが、とてもよく粘ってくれます。さすがNIVIUKですね。



総評

「Accessible performance」。これを私は「手が届く!最高のパフォーマンスに!!」と訳しました。
その意味が腑に落ちる、まさにそんな翼に仕上がっていました。

乗った感覚から感じるのは、間違いなくCクラスのARTIK5並みのパフォーマンスを持っています。美女平からエリアに帰る速度や滑空比などを考えてもハイエンドBとは言え驚きの性能です。それ以上に驚かされたのは

HOOK5と間違えるほどの乗りやすさ、安定感でありながら圧倒的なパフォーマンスを発揮できる

と言うことでしょうか。

最近のグライダーはどれも素晴らしい出来になっていますが、それとともに

不必要に高いレーティングのグライダーを選ぶことはない

ことを毎回感じさせられます。Cクラスでなくとも十分なパフォーマンスを手に入れることはできるのです。そして、それを使うのは私たちパイロットです。
乗り手が道具を最大限使うことができるかどうか?これが大切なことなのだといつも思います。

道具を100%使いこなす技量を獲得するために、無理なステップアップではなくそれを実現できるIKUMA2のようなグライダーをチョイスしてもらえることを、個人的には願っています。

ぜひ、このフィーリングを試していただきたいと思います!!


NIVIUK KOYOT4に乗ってみた


NIVIUKのEN-AクラスKOYOT4。同時に軽量のPモデルもリリースされましたが、今回はNIVIUKのエントリーモデル4代目になるKOYOT4をPikaichi Checkです。

テクニカルデータをチェックする

KOYOT4のテクニカルデータです。



セル数は39。前モデルのKOYOT3は36だったので3セル増えています。
アスペクトも実測で4.75。KOYOT3の4.95からは小さくなりましたね。ここ最近のNIVIUKは、HOOK5もそうでしたがアスペクトが小さくなる傾向にあります。これは、それほどアスペクトを上げなくても十分なパフォーマンスが得られること、各モデルの性格や特徴を明確にして乗り手重視の開発を行っていることに尽きるのではないか?と思います。とにかく、NIVIUKのグライダーは乗りやすいことで定評がありますが、乗り手に負担をかけないような設計思想は一貫していますよね。



広げて見た感じも、とてもまとまっている印象です。作りも丁寧で綺麗ですね。



インテイク周りはNIVIUKテクノロジーであるニチノールが縫い込まれた手の込んだ作りです。もちろんグライダーを広げただけで、エアインテイクは自立してライズアップ時のインフレーションを容易にします。



ライザーはA,A'、B、Cの4本構成で、ラインはAが緑、BとCは青に色分けされています。(スタビとブレークは赤)
このあたりの構造は、これまでと大きな違いはありませんが、ブレークコードのホックがマグネットに変更されているのは嬉しい改良ですね。

乗ってみた

KOYOT4のサイズ26(75-95Kg)に、上限の94Kgで乗ってみました。

ラインチェックは色分けされているので簡単に行えます。また、ライザーも適度な太さがあって握りやすいですね。
Aライザーだけを持ってフロントライズアップを試みたところ、最初少しの手応えを感じますが、45度程度まで上がってくるとテンションは軽くなり、そのままスムーズに頭上まで上がってくる流れでした。適度なタイミングでAライザーを放してあげれば特段ブレーキングしなくてもキャノピーは頭上で停止してくれます。この時、もたつくような印象はありませんでした。



意外に良く飛ぶ

冬の朝霧で、そこそこのコンディションだったこともありますが、テイクオフ後にサーマルに入ったのでそのままセンタリング。ブレークのフィーリングはとても素直な印象で、Aクラスと言いながらも反応は良いと思いました。バンク維持も容易で、このクラスでありがちな「戻ろうとする」動きは小さい気がしましたね。



旋回はNIVIUKらしいと言うか、旋回側のブレークコードで微調整を行えば外側はそれ程気にする必要はありません。サーマルの中においてもしっかりと上昇の強い所へ入っていく特性が感じられますので、高高度からソアリングのトレーニングにも使えるだけのパフォーマンスを持ち合わせています。正直に言うと
「意外に良く飛ぶなぁ!!」
と言うのが感想ですね。

それ以外のベーシックな部分について検証してみると、ブレークの操作感は重すぎない適度なテンションがあります。操作域は広く、失速を感じるまでは相当粘ってくれます。ピッチングに入れてみましたが、ピッチ安定はとても良く、前に突っ込むことはありませんでした。ローリングは旋回性が良いことからもわかるように、とても素直に入れられます。とにかくブレーク操作の追従性がとても良いです。講習生にとっては少し「素直すぎる」かもしれませんが、この少し機敏とも言える操縦特性に慣れて行けば、2機目、3機目のグライダー操作においてか必ずプラスに働くことでしょう。

翼端折りもA’ライザーを引くことで簡単に折ることが出来ます。折るときのテンションは軽いです。沈下もしっかり感じられるので降下手段に十分有効かと思います。

総評

NIVIUKのAクラスKOYOT4は、エントリーモデルではあるものの、その後継続的に乗ることも可能なパフォーマンスを持ち合わせています。NIVIUKは

「パイロットとして訓練し、経験を積み、自信と知識の面で進化する際にあなたを支援する本能的で直感的な翼です。リラックスした動作により、飛行のすべての段階で優れた安定性が保証され、パイロットは最初の学習段階で着実に前進できます。」

と言っていますが、まさにその通りの特徴と性能を感じることが出来ました。

安定していながら、やはり微妙な操作は微妙な操作として習得するための課題を与えてくれる翼。それを乗り越えれば、習得した技術はすなわち性能となってあなたの飛びをグレードアップしてくれる。そんな翼であると思います。

1機目ですがオールマイティーな翼として、ある程度の性能も欲しいという環境のエリアやスクールの校長先生に試して欲しいですね。


PHI FANTASIAに乗ってみた


PHIからリリースされたLo-AカテゴリーのFANTASIA(ファンタジア)。これまでPHIのエントリーモデルと言えばSONATAでしたが、それよりもさらに扱いやすいモデルとして開発され、PHIでは「万人の翼」と評しています。

今回、このFANTASIAをPikaichi Checkです!!

テクニカルデータをチェックする

では、FANTASIAのテクニカルデータをチェックします。



今回試乗したのはサイズ22。レンジは75-95Kgですが、これに上限いっぱいの95Kgで乗ってみました。

Lo-Aと言うこともあってアスペクトは投影で3.45、実測で4.69と言う数値。見た目も「初級機だなぁ」と言う印象です。ちなみに、同じAクラスのSONATAは投影で3.42、実測で4.72と近い数値になっています。



エアインテイクは36セルでリーディングエッジ側にはナイロンロッドが装備されています。下面側は半円形状になっていて、写真のように広げた際に自立する構造になっています。そのため、ライズアップ時のインフィレーションを大いに楽にしています。
構造上の特徴として挙げられるのは、ラインにダイニーマを一切使用していないことでしょう。これはブレークコードに至るまですべてのラインに対してです。やはり、ダイニーマの特性である伸縮する問題による影響を排除したかったのだろうと思います。また、サスペンションレベルが3つ(アッパー、ミドル、ロワーの3段階)しかないことも大きな特徴となっています。これも、翼の形状を安定的に保つ意味で大きな役割を担っていると思われます。

乗ってみた

ウィングキッス朝霧テイクオフにFANTASIAを広げると、翼がとても小さく近く見えます。ライザーもシンプルな構造なので、ラインチェックも素早く行うことが出来るでしょう。パラグライダーを習得する講習生にとって、ライザーの構造が単純でラインチェックがしやすいと言うのは負担が少ないし、とても良い隠れた性能だと思います。



Aライザーは2つに分かれており、A1ライザーには赤に色付けされたテープが付けられています。ラインも同じく赤で統一されています。A2ライザーにはオレンジが(ラインは赤)、Bライザーは水色(ラインも同じ)、Cライザーは黒でラインは薄緑になっています。ライザーテープの太さも初級機らしい太さだと思います。

軽いライズアップに驚いた

FANTASIAは、これからパラグライダーを始めるための「1機目」を想定してデザインされているのですが、「ライズアップは手応えがあるのかな?」と勝手に想像していたら全然違っていました。
とにかく軽く上がってくるのです。



写真はあまりにも軽くて頼りない印象だったので、思わず
「ホントに上がってきてんの?」
と振り返っているシーンです。それほど軽いですね。さらに強調したいのは、ライズアップが勝手に頭上手前で止まること。最初は
「上がってこないのかな?」
と思い違いをして取りやめてしまったほどです。それほどイージーなライズアップ特性を持っています。



しっかりと頭上確認を行った後で、ゆっくりと荷重をかけて走り出せばテイクオフはとても簡単でした。

ゆったり、ゆっくり飛んでくれる

フライトしてまず感じたのは

とてもゆったりと、そしてゆっくり飛んでくれる

ということ。



最近のグライダーは、たとえエントリーモデルと言えども十分なパフォーマンスを持っていて、飛行速度もそれなりであることが多いのですが、このFANTASIAはとてもゆとりのある速度感とでも言いましょうか、本当にゆっくりと飛んでくれる印象でした。

それではブレークでの操作はどうか?

初級機らしく、大らかな特性と言うか、引けばしっかりと手応えのあるテンションを伝えてくれるフィーリング。動きも決してクイックではありませんが、引き始めからゆったりとその操作に追従してくれるような動きを見せます。十分にスキルのあるパイロットにとれば、その動きは「もたつき感」と捉えられるかもしれませんが、あくまでこのグライダーはエントリーモデルであり、グライダーの操縦を習得するための道具ですから、その観点で見れば十分反応は良いと言えると思います。

また、サーマルなどのリフトにはしっかり反応し、速度が遅いことも関係していると思いますが、簡単に上昇してくれます。上限に乗っているにもかかわらず、それほど良い条件とは言えない日に、そこそこ滞空出来たのは驚きでした。ただ、ブレークコードによる旋回操作などを行うことで、しっかりと沈下してくれますので、スクーリングなどの場面において講習生が降りられずにアタフタしてしまう・・・と言うことは避けられそうです。

A2ライザーによる翼端折りも軽く簡単に行えました。ただし、これはPHI全体に言えることですが、翼端折りライザーは真下に引き込むようにしてください。外側へ引くような操作ですと、しっかりと翼端を折ることが出来ません。



ランディングもとてもイージーです。元がゆっくりである上に、ブレークコードの操作範囲が広いので、最終アプローチでの速度管理はとても簡単でした。ハーフブレークを上手く使ってあげると狙った場所にかなりの精度で降り立つことが出来ます。ブレーク操作に関しては、かなり粘ってくれます。ですので、スクーリングにおいても、慌てることなく適切な操作を習得することができるでしょうし、誘導するインストラクターもFANTASIAを信頼して操作を指示していただければと思います。

総評

PHIのFANTASIAは、まさに

THE 初級機

と呼ぶにふさわしい性能を持っています。
初級機(特にエントリーモデルと言われるもの)には、パラグライダーをやったことのない人が乗るのですから、私たちのようなパイロットからは想像もできないようなことが起こるものです。それこそ、無茶な操作やあり得ない操作などは想定内でなければなりません。

FANTASIAは、おそらくそれらすべてが「想定内」であるだけでなく、それを懐深く見守りながら成長を手助けしてくれるもう一人の先生…と言ったところでしょうか?
スクールの校長先生には、ぜひ一度試していただきたいと思います。乗っていただければ、FANTASIAの一見地味ですが、懐の深さや寛容な性能を感じていただけると思います。


NIVIUK ICEPEAK EVOXに乗ってみた


NIVIUKから待望のCCCコンペティションモデルが正式にリリースされました。その名は


ICEPEAK EVOX(アイスピークエボックス)


ICEPEAKの名を冠してはいるものの、その仕上がりはICEPEAK史上最高の翼となりました。


今回、ようやく実機に乗ることができましたので、あくまで私個人の感想を紹介したいと思います。

意外におとなしい

日本に初めて入ってきたICEPEAK EVOXサイズ22。早速テイクオフで広げてみる。
平面アスペクト7.6のこの翼は、パッと見は意外におとなしい印象を受けました。





2ライナーのその翼は99セルと、このクラスにしては少なめのセル数になっています。NIVIUKテクノロジーTNTが採用されており、ニチロールがリーディングエッジからトレーディングエッジまでをしっかりカバー。より精密な翼形性に貢献しています。



ラインはA2本、A'1本、B3本の6本。Bライザーにはコントロール用のバーがついていて、この形状が使いやすい。(実際にとてもコントロールがしやすかった)

いざ!テイクオフ!!

今回は、4月13・14日にエアパークCOOで開催されるJPAナショナルリーグ第2戦「COOスプリングカップ」での実戦での感想です。前日、曇りながらも飛ぶ時間に恵まれましたので、そちらも併せて感想を紹介していきたいと思います。
どちらも装備重量は103kgです。



おとなしく見えると言ってもアスペクト7.6。綺麗に広げるのが良いのは当たり前です。大会前日はほぼ正面の風1-2m/sでリバースライズアップ。手ごたえはありますが、比較的軽く上がってくる印象でした。大会初日はやや北寄りでサイドの風。風下側が先行するかと心配しましたが、難なく真っすぐに上がってきました。ライズアップはハイアスペクト機に乗ったことのある方ならば何の問題もないかと思います。



全体的にがっしりした翼

空中に出てみると、まず非常に剛性のあるがっしりした翼に気づきます。ハイアスペクト機にありがちな「ぐにゃぐにゃ」したような感覚や動きは全くありません。直進安定性も良さそうです。特に大会前日は、曇り空での穏やかなコンディション。それでも気温減率が良いらしく、沖に出してもしっかりしたリフトがあって、この日は最高1,400mくらいまで上がったそうです。
サーマルセンタリングは、あまり深いバンクをかけない方が良い感じです。NIVIUKのグライダーは全体的にそんな印象を持っていますが、このICEPEAK EVOXも同じですね。しかし、非常に強い上昇で荒れたサーマルの場合は、やはりサーマルに弾かれたり翻弄されないように、ハイバンクでスピードをつけた旋回の方が良いと思います。




クロカンタスクに威力!サーマルサーチ効果!!

ICEPEAK EVOXのサーマルサーチ能力は素晴らしいと感じました。最近のグライダーならばそんなのは当たり前だと思いますが、敏感かつ的確な反応に早速助けられました。
大会初日はビッグコンディションになり、ナショナルリーグは横岡ゴールのクロカンタスク。実は私、個人的に北上タスクはこれまでことごとく降ってきたので、ルート上の情報が乏しくコースも出たとこ勝負でした。
しかも先に行くクセは直らず、なぜか単独行動になってしまいます。烏山を越えたあたりで低くなり気まずい状況になったのですが、策もなくただただグライダー任せで飛んでサーマルを引っ掛けながらなんとかゴールすることができました。「いやぁ、EVOXよありがとう!!」と言う感じでした。
この特性は、サーマルセンタリング中でも顕著です。サーマルが強くなると翼が前に走って食い込もうとします。さらに強い場合(大会当日は+8もあった)はさらに前に行こうとしますので、しっかりとコントロールしてください。



速度も十分かと・・・

ICEPEAK EVOXのスピードですが、しっかりと計測したわけではないので話半分に聞いてください。
普通に飛ぶ限りは、他のグライダーと遜色はありません。アクセルを踏めば今活躍しているグライダーたちと互角に闘えると思います。
アクセルは軽くはありませんが重くもないです。踏み応えがあっていいんじゃないでしょうか?コンペ機のアクセルってこんなものでしょう。
ただ、フルアクセルまで踏んでみましたが、大きく沈下することもなく、比較的フラットな特性で沈下が増えていく感じです。どこかから急に沈下が増すような感じは受けませんでした。

コントロールバーは使いやすい

Bライザーに取り付けられたコントロール用のバーですが、非常に持ちやすく使いやすかったです。クロカンタスクで長いトランジットもあったのですが、指に引っ掛けてコントロールができるので疲れません。今までは、ラピットリングを握ったり丸いボールを握ったりしていたのですが、やはり握力がなくなってきます。みんなバーに付け替えるわけですね。



乗りやすい翼だと思います

ICEPEAK EVOXは、CCCクラスのコンペティションマシーンでありながら、非常に乗りやすく扱いやすいグライダーになっていると思います。乗っている感覚は、アスペクトを感じないCクラスのようなフィーリングでした。しかし、やはりCCCはCCCです。大会当日の荒れた強いサーマルコンディションにおいては、やはりそこそこ翼は動きサーマルにも反応するのでコントロールが忙しいのは同じです。ですので、誰でも乗れるとは言えませんが、これまでに何機かコンペ機と言われるカテゴリーのグライダーに乗り、十分に経験を積んだ方ならば問題なく乗れると思います。
また、初めてCCCに乗る方ですが、少なくともDクラスを十分にコントロールできている方で、機体のい挙動やブレークコードのテンションなどから周囲の状況を察知できる方、または察知するように訓練している方。危険予知力が高く、危険を感じたならばそれに備えて抑えて飛べる方。このような方々ならば乗れるとは言いませんが、訓練しながら乗りこなしていけるのではないか?と思います。
ICEPEAK EVOXはコンペ機です。乗るには覚悟が必要です。



NIVIUKファン待望のCCC機ICEPEAK EVOXは、その期待を裏切らない仕上がりになっていると思います。
これからCCCをご検討される方は、選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか?


サイドコンテンツ

AIRHEART Official Blog
GRADIENT ・NIVIUK ・ KORTEL Design・FLYMASTERの輸入販売代理店のAIRHEARTの公式ブログです。 メーカーやパラグライダーの最新情報をお届けします。

カレンダー

  •  
  •  
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  •  
  •  

エントリーリスト

2020年06月17日

NIVIUK IKUMA2Pに乗ってみた

2020年05月25日

NIVIUK IKUMA2に乗ってみた

2020年05月04日

FLYMASTER CTR設定セミナー Online動画(再編集版)

2020年05月02日

Facebookライブ配信をやってみました!!

2020年04月27日

3分Lesson FLYMASTER SDシリーズ

2020年04月26日

オンラインセミナーを行いました

カテゴリーリスト

タグクラウド

RSS 2.0 Login